事の始まり

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「…つまり、結論を申し上げますと、この子は、ポケモンでもなければ、人間でもない…ということです。」 「へぇ。でもどこから来たんだろね?僕らの世界の生き物じゃないってことでしょ?不思議だよね。」 クダリの言う通りだ。まず、こんな管なんて使わないし、こんなのが出てくるとも思わないだろう。普通の人なら、ごみ箱にポイしてしまうかもしれない。 「…ノボリ兄さん、ずっと聞きたかった事があるんだけど…。」 「なんでしょう?」 「そのピクシー…どうやって戻すの?」 管に戻すとは言えど、どうやるかは分からない。 が、ピクシーをさっきの管に触れさせてみた。 ―言葉が流れてきた― その言葉をつぶやき、管に再び収めた。 「兄さんすごい!」 クダリは、少年のようなキラキラ輝いた目で見ていた。 「僕にもできるかな。」 そう言うと、管を取り上げ、念を送っている……。しかし、開かない、開くわけがない。 「開かないなぁ…。やっぱり、兄さんじゃないとダメなのか…。」 上下にシャカシャカ振っても、開かない。何か暗号らしきものを、言わないといけないのだ。 それが、私にとって分かった唯一の事実なのだ。 「ずるいよ!ノボリ兄さん!」 「そんな事言われましても…。」 肩を捕まれ、左右に激しく揺らされた。 …でも、こんな風に暮らしているのが私達、サブウェイマスターの一日。 今、その一日が狂いそうでなりません…。
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