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一つは、さっきの長い何か。風呂敷に包まれている。一つは、黒い木箱。金色の文字が刻まれている。最後の一つは、胸元に当てる物だろうか…?そこに、ピクシーを出した時と同じ、あの管が刺さっていた。
試しに、ポケットに入れた管と見比べた。形や色…ちょっとの錆び加減も同じくらいだった。
「あら?それどうしたの?」
「それがかくかくしかじか、昨日の事ですが…。」
…………。
「…という事なのです。」
「ふーん…。」
カミツレ様の視線が反れた。その先に、またクダリがいた。
「兄さんずるい!!」
肩を揺らされ、両頬をつねられた。
「やめてくださいまし!!痛いのでございまし!!」
こちらも負けじと、つねり返す。
「二人とも、いい大人が喧嘩なんて。恥ずかしくないの?」
カミツレ様の言葉が、心を貫通し、心臓まで凍りついた。
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