王道は避けては通れない!?

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「うっ、一体何が?」 「お?目を覚ましたか。どうだ気分は?」 「あなたたちは一体?……あ!さっきは助けてくれてありがとうございます。」 うん記憶もちゃんとあるし大丈夫そうだ。 「気にすんなって、どうせ避けては通れない道だったからな。とにかく元気そうで安心した。俺は神凪葵。」 「僕は朝霧総夜だよ。」 「私は、シェリア。シェリア・フォン・アストラルといいます。」 アストラルって大国の名前と一緒なんだけど? なんでわかるかわ一応一通りの知識を持ってるからね。 「あの助けていただいたお礼がしたいので付いてきてください!」 お礼……ね。 「なあ、これって。ヒソヒソ」 「うん、お約束だよ。ヒソヒソ」 「どうしたんですか?」 おっと内容は聞かれていないにしろ内緒話してたら気付かれかけた。 「いや、何でもねえ。」 「まあ、アレだよ。早くこの森から出たいねぇ、って話をね。」 これは嘘ではないだってかれこれ五時間近く森の中にいるから、森林浴?そんなもんじゃないだって薄暗いんだもんこの森。 「ああ、ここは魔の森なんて呼ばれたりしますからね。でもあと少しですよ。」 と言ったすぐに光が見えてきた。そして森から抜けるとそこにあったのは壁だった。 「こ、これは……」 「アストラル王国の王都、アストライアの壁です。」 やっぱりねぇ。王道ですよ。 「あれ?そう言えばお二人はどこから森に入ったんですか?」 「さあ?気が付いたら森の中を彷徨ってて、森の中にかなり長くいたからねぇ。」 「もしかして、お二人とも記憶喪失ですか!?」 「「それはない」」 「で、ですよね。でも、お二人は倭国の出身ですよね?どうしてこんなところに?」 倭国ってのは東のはずれの島国のこと。あまり交流を持たないことで有名。それとアストラルは西に位置するからここにいることはおかしいんだよね。これまた王道です。 「ああ、それはね。魔法の研究中に間違って飛ばされちゃった。」 さらりと嘘をつく。 「あ、そうなんですか。凄いですね。」 シェリアは良く分からなくなったから考えることを放棄したようだ。
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