第壱ノ夜【灰色】

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赤く錆びたように澱んだ空と 所々に浮き漂う青黒い暗鬱な雲 空はどこまでも俺の身を抉る 犯した罪を償えと 忘れる事を許さない あの日の罪を 贖えと 催促したって逃げられやしないのに 裂けた傷に 塩を撒くのはさぞ愉快だろう。 「…おい」 「よぉ 」 頭上から声が降ってくる それを追うようにして視界の中に現れたのは、腐れ縁であり、任務をこなす上でのパートナー オスカー・ギルバート・グレイクロウ。 普段通りむっつりとしたどこか不機嫌そうな顔つきのオスカーだが、今は怪訝に見ているのだという事がわかる。 「こんなところで何してる…雨が降ってるって言うのに。 …馬鹿か?」 「あぁそうさ…俺は馬鹿だ。違いねぇ」 訝しいとでも言いたげな顔のオスカーは、どうやらもどかしさと多少の歯痒さに駆られているようだ 「気でも狂ったのか?さっさと部屋に戻れ」 「心配してるのか?」 「お前に体調を崩されるとな 俺の仕事が増えるんだ。知らなかったか?」 冗談でも言うような口振りだが、その目はしっかり怒りを含んでいる 「あんまりカリカリしてっと …… ハゲて頭が寂しくなるぜ。おい、銃口は向けるなよな」 「…何かあるなら聞いてやる。とにかく雨ざらしになるのはやめろ」 幾分かの沈黙を絶つように オスカーは溜め息をついた。 雨脚は強まって行く。 何処の誰が言ったか、まるで嘲笑うようにとはこういう事を表現しているのだと思った。
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