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「井上、またイカ食い過ぎたのか?
仕方ないなぁ」
井上の頭を肘でぐりぐりしながら斎は言う。
明白に不自然な行動である。
「い、斎係長!」
いつの間にか背後にいた斎に井上は振り返り驚いた。
「(何でイカなのかしら?)」
若槻はそっと心の中で突っ込んだ。
「ん?
若槻、苦虫を噛み潰したような顔してどうした?」
妙な顔をした若槻を見て斎は首を傾げた。
「何か怪しいですね」
そう言って若槻はジロジロと斎を見た。
「何にもやましい事何かないぞ。
さぁ若槻も話してないで仕事、仕事」
若槻の視線にタジタジになりながらも、斎は仕事をするように促す。
「(何だか上手く誤魔化されたような)」
若槻は渋々仕事に戻った。
この事は何気ない日常の一ページだとこの時は皆そう思っていた。
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