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***
ーー
昼休み。
社員食堂にて。
ーー
「今日のオススメ何かなぁ~」
社員達に混ざり一人ウキウキな斎がいる。
「相変わらず呑気ですね」
そんな斎の背後にしれっと若槻が現れる。
「おお、若槻。
一緒に食うか?」
ニコニコしながら斎は若槻を誘う。
「おごりなら」
躊躇する事なく若槻は答える。
「仕方ないなぁ。
俺が誘ったしな」
意外にも素直な斎。
「……お人よし」
思わず若槻は突っ込む。
「うほっ。
今日はハンバーグランチだぜ。
テンション上がるわ~」
若槻のツッコミは聞こえなかったのか、今日のオススメランチを受け取った斎はテンションが上がってる。
「斎係長、ハンバーグ好きですもんね」
若槻も同じものを受取り、しみじみと若槻は言う。
「覚えててくれたのか。
嬉しい」
空いてる席につきながら斎は少し顔を赤らめた。
「勘違いしないでくださいよ?
あたしは幼なじみだから覚えていただけです」
そう言ってすました顔で若槻は斎の前に座った。
「意地悪」
まるで子供のようにぷぅっと頬を膨らませ、斎は口を尖らせた。
「何か期待してたんですか?」
ジトーッと若槻は斎を見た。
「してたしてた。
『覚えてくれたのか?
嬉しい』
『当たり前です。
だって、あたし斎係長が……』
ポッ。
みたいな?」
一人くねくねしながら斎は熱く語る。
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