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情熱的で開放的な、南の島独特の雰囲気のせいか、街中だろうが、人目もはばからずにイチャイチャするカップルも多い。
そこら中で普通に濃厚なキスをするカップルに出くわし、その度に誌乃は目のやり場に困っていた。
もっと困るのは、それに触発された慎一だ。
ふたりの事を誰も知らない、異国の地に安心しているのだろうか。
陽気な外国人かと思う程、可笑しいくらいに所構わずキスをしてくる慎一に、誌乃の顔は火照ってばかりだ。
「 負ける訳にはいかないだろ 」
俺達が一番幸せなんだとばかり、妙な闘争心を燃やす慎一に、誌乃の熱は振り返しそうになる。
南の楽園は…、誌乃には余りにも情熱的だった。
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