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「 ひとりで大丈夫か?」
室内の方の落ち着いたバスルームに向かおうとしていた誌乃に、慎一はそう言って声を掛けた。
心配だから一緒に…、と言うと、誌乃は大丈夫、と焦ったように手をブンブンと振る。
「 慎一さんと一緒の方が、余計にのぼせちゃうから 」
ま、確かにな、と苦笑いする慎一に笑い掛け、誌乃はバスルームへと消えていった。
今夜も無茶は出来ねぇな…、などと正直残念に思ったが、誌乃の身体が何より大事だ。
慎一は小さく息を吐くと、部屋にあるバーカウンターで作ったロックを手に、ベランダの手すりに寄り掛かる。
心地いい風と波の音を感じながら、酒と幸せに酔いしれた。
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