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結局、翌日も念の為に部屋で安静に過ごし、6日目、予定通りにふたりは帰国した。
「 お帰りなさい。ご無事で何よりでした 」
空港に迎えに来ていた啓輔は、ふたりの姿を見て、安堵の表情を浮かべた。
ああ、と言った慎一に肩を抱かれた誌乃も、啓輔の顔を見て少しホッとしたかのように、
「 ただいま帰りました 」
と微笑んだ。
「 旅行、楽しかったですか?」
車に向かう途中、無邪気にそう聞いた啓輔に、慎一は少し口元を引きつらせ、
「……誰かさんのお陰でな…」
と何かを含んだ言い方をしつつ、ジロリと見れば。
誌乃が慌てて、凄く楽しかったです、と言い、啓輔は少し苦笑いになった。
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