新婚?旅行

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「 初日、貴方から電話が掛かって来た時は、どうなる事かと案じていましたが…、 この上なくおめでたい事で旅を締めくくれて、良かったですね 」 啓輔は無邪気に笑ったけれど、慎一の目は細くなり、その顔は無表情に近くなった。 「 前半、菜緒子に振り回されていた時までは、帰ったら君をどついてやろうかと思っていたが…、 そのめでたい事に免じて、許してやろう 」 どつかれるような事してないし、と啓輔は思ったが、 「 ありがとうございます 」 と一応述べた。 「……いい旅だった 」 ボソッとそう言った慎一は、また表情を緩め、誌乃の髪を優しく撫でる。 啓輔も穏やかに笑った後、より安全運転を心掛けながら松浦医院へと向かった。
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