嬉しさと…、その裏の不安

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松浦医院に着くと、連絡を受けていた昇悟が、入り口で落ち着きなくウロウロしているのが見えた。 「……何か…、思い切り心配そうにしてますね 」 啓輔がそう言って苦笑いすると、慎一はウンザリしたような溜め息をつく。 「……また何か言われるんだろうな、俺…」 そして、着いたぞ、と誌乃を起こすと、ムニャムニャと目を擦る誌乃の手を取り、車を降りた。 その途端、物凄い勢いで昇悟が駆け寄って来て、誌乃はビックリして完璧に目が覚めた。 「……え、お父さ…」 「 具合はどうだ?」 昇悟は直ぐ様そう言うと、邪魔、と慎一を押し退け、誌乃の背中に手を回し、挨拶もロクにしないまま病院内へと促した。
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