嬉しさと…、その裏の不安

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「……本当に来やがったのか…」 誌乃が入院した日の夜。 特別室に顔を出した昇悟は、慎一を見て呆れたようにそう言った。 しかも、離してあった筈の簡易ベッドをピッタリとくっつけて。 誌乃と手を繋いで寝そべっていた慎一は、昇悟を見ても全く動じる様子もなく。 そればかりか…、 「 寝心地の悪いベッドだな。明日違うヤツを運ばせていいか 」 などと言い出す始末。 「 駄目に決まってんだろ! 好き勝手しやがったら、出入り禁止にするからな!」 キレる昇悟に、チッと軽く舌打ちする慎一。 そんな憎たらしい義理の息子を見下ろしながら、何故許可してしまったのかと昇悟は深く後悔した。
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