10061人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「……本当に来やがったのか…」
誌乃が入院した日の夜。
特別室に顔を出した昇悟は、慎一を見て呆れたようにそう言った。
しかも、離してあった筈の簡易ベッドをピッタリとくっつけて。
誌乃と手を繋いで寝そべっていた慎一は、昇悟を見ても全く動じる様子もなく。
そればかりか…、
「 寝心地の悪いベッドだな。明日違うヤツを運ばせていいか 」
などと言い出す始末。
「 駄目に決まってんだろ!
好き勝手しやがったら、出入り禁止にするからな!」
キレる昇悟に、チッと軽く舌打ちする慎一。
そんな憎たらしい義理の息子を見下ろしながら、何故許可してしまったのかと昇悟は深く後悔した。
最初のコメントを投稿しよう!