嬉しさと…、その裏の不安

42/42
10060人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
そんなふたりを見て、もぅ…、と小さく笑った誌乃の横に回り、昇悟は点滴をチェックする。 「 具合はどうだ?」 昼間よりも落ち着いてる、と答えた誌乃の頬に手を添え、そうか、と笑う昇悟を見て、慎一は明らかに不機嫌そうな顔をした。 そんな慎一に気付いた昇悟が、何だよ、と睨むと、何がだよ、と応戦してくる。 妙な火花が飛び散る中、誌乃はお腹を擦って、チビちゃん、と呼び掛けた。 「 おじいちゃまもパパも、大人げないね…」 おじいちゃま?と眉をひそめる昇悟と、パパ?と口元を緩める慎一が可笑しくて、誌乃は、ふふ、と笑う。 そんな誌乃の様子に、昇悟と慎一は目を合わせ、互いに少しだけ…、その表情を緩めた。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!