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いよいよ8週目に差し掛かり、誌乃の不安もつわりもピークを迎えようとしていた。
早く無事に過ぎて欲しい、と祈りながら。
激しい吐き気に堪えながら…、長い1日を過ごす。
それでも、病院に居る事は気持ち的にも大分違うように思えた。
昇悟も、出産が間近な友梨も、時間がある限り顔を出し、誌乃の様子を気に掛けてくれている。
同じく妊娠中の沙織も、つわりに効くアロマを届けてくれたり。
夜は慎一が来て、離されているベッドを懲りずにくっつけ、手を繋いで寝てくれる。
苦しみ、幸せ、不安、安心。
目まぐるしく襲い来る感情に翻弄されながら…、
ボーダーラインを越えようと、誌乃は懸命に頑張っていた。
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