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源一郎は、小さく頷いた。
「 誌乃…、都は自分の生きた証を、昇悟を愛した証を遺したいと言って、お前を産んだ。
そのお前が今また、都の血を受け継ぎ、本当に愛している男の子供を宿している。
大丈夫だ。きっと…、都が守ってくれる 」
誌乃は、うん、と小さく笑って、ふたつの御守りを握り締める。
「……それに、おじいちゃんの御守り、最強だもんね…」
源一郎は、そうだな、と笑った。
「 もうすぐ孫が増えるし、ひ孫も出来る。わしも忙しくなるな 」
長生きしてね、と誌乃も笑う。
すると、看護師がバタバタと慌てて病室に入って来た。
「 今…!友梨先生に陣痛が!」
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