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源一郎が、やっと来たか、と慌てて病室を出てから、既に2時間は経っていた。 誌乃も分娩室の側まで行きたかったけれど、今の状況では身体に負担が掛かるから待ってなさい、と源一郎に止められてしまい…、 仕方なく、ベッドの上で御守りを握り締める。 友梨の出産の方が気になって、つわりの苦しさも不安も、今は頭から消えていた。 ……まだかな、まだかな…。 早く、無事に産まれて来て…。 暫くして、やっと源一郎が戻って来た。 「 おじいちゃん…!産まれた?」 つい起き上がってそう聞くと、源一郎は笑って頷いた。 「 元気な男の子だ。…弟が出来たな 」 初めての…、血の繋がった弟。 嬉しくて、ポロポロ泣いた。
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