ボーダーライン

8/39
前へ
/714ページ
次へ
「……今、見てきたよ。良かったな、無事に産まれて 」 夜、病室に来た慎一は、そう言いながら、また離されていた簡易ベッドをくっつけた。 「 可愛かったでしょ?」 「 いや、サルみたいだった 」 えー、酷い、とむくれる誌乃と手を繋ぎ、慎一はベッドに寝そべってクッと笑う。 「 生意気そうなところが、アイツにソックリ 」 「……何だと?」 昇悟が腕組みしてドアにもたれていて、誌乃は苦笑いになった。 「 率直な感想を言ったまでだ 」 てか、いちいちベッドを離すなよ、くっつけるの面倒だろ、と文句を言う慎一に、昇悟はウンザリしたような溜め息をついた。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10079人が本棚に入れています
本棚に追加