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「 今日はだいぶ落ち着いてるな 」
誌乃の表情を見て、昇悟がホッとしたようにそう言うと、誌乃も、うん、と頷いた。
「 弟が出来たから…、元気が出たのかな。
それに、今度の漢方薬、割りといいみたい…」
そうか、と言った後、チラッと慎一を見ると、フフンと得意気な顔をしていて。
昇悟は、チッと視線をそらせた。
実は慎一は、ありとあらゆるコネを使い、入手困難な高い漢方薬を中国から取り寄せたりして、昇悟に提供していた。
「 お前に金と力がある事だけが唯一、結婚させて良かったと思える事だよ 」
そんな言い方をした昇悟だが、ホントは感謝してるくせに、と誌乃はクスッと笑った。
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