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そして、いよいよ9週目が過ぎようとしていた。
自分で決めたボーダーラインを、越える時が来る。
誌乃は、ふたつの御守りを握り締めた。
ほんの少し前まで、少しの出血にも過敏になってしまい、不意に不安が押し寄せ、涙が込み上げていた。
痛みがないなら大丈夫、と言われれば、今度はほんの少し痛みがあっただけで、また過敏になって。
そんな事の繰り返しに、精神的にも体力的にも疲れ果てていた。
こんなにつわりが辛いのは、もしかしたら…、
この子は、私がママなのが嫌なのでは、抵抗してるのでは…。
余りの苦しさに、不意にそんな事まで頭をかすめたりもしていた。
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