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それは今日の夕方、会社での事。
「……新婚、…旅行ですか?」
新婚、というところに何となく引っ掛かりを感じつつ…、
社長室のソファでノートパソコンをチェックしていた啓輔は、そう言って視線を慎一に移した。
「 なかなか予定が立たなくて、延び延びになっていたんだが…、
この際ゆっくりと、豪華客船世界一周旅行なんかどうかと思って…、いいだろ?」
「 駄目です 」
即答した啓輔に、慎一はムッとしたような表情を向けた。
「 何で 」
何で、って…、何を寝ぼけた事言ってるんですか、まったく…。
というような呆れたような表情で、啓輔は溜め息をつく。
「 理由は、ふたつあります 」
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