春の雪

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耳元で囁くその声に…、応えるようにしがみつく。 話したい事がたくさんあった筈なのに、今はただ…、こうして抱き締められているだけでいい。 あたたかい慎一が、確かにここに居る。 それだけでこんなにも嬉しくて…、容赦なく涙腺が壊れていく。 「……また…、君を泣かせてしまったな…」 誌乃は小さく首を振った。 ……いいの。この涙は…、 幸せの涙だから。
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