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｢……誌乃？ どうした ?」
｢ ママ、いたい、いたいなの？｣
そんな愛しいふたりの声に、誌乃はハッとして、慌てて指先で涙を拭った。
｢ ううん、違うの。あんまり幸せだから ｣
結希は良く分かっていないだろうけれど、誌乃が笑った事に安心したようだった。
｢ ゆきちゃん！ あっちに、ワンワン！｣
一弥に呼ばれ、結希は嬉しそうにパタパタと走っていく。
そんな可愛い愛娘に、ふたりで顔を見合わせて笑った後、慎一は誌乃を抱き寄せた。
｢……本当はどうした。ん？｣
そう言って覗き込む慎一の眼差しは、変わる事なく優しくて。
｢……また、思い出しちゃった。貴方を…、凄く愛してるって ｣
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