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異例の大雪だったあの日。
誌乃の出産が間近に迫っているというのに、乱れまくっている交通状況に、慎一の苛立ちはピークに達していた。
昇悟の事は信頼している。
アイツなら、どんな事があっても誌乃を無事に出産させるだろう。
この雪を心配して、ゆっくり来いなどと言うのも分かっている。
だけど…、
誌乃の傍には俺が居なきゃ…、駄目なんだ…!
長い時間を掛け、ようやく自宅マンションが見えて来た事に安堵した次の瞬間…、
ヘッドライトの眩しさに、思わず目を細めたと同時に身体が大きく揺れ、ゴン、という追突音が聞こえた。
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