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「……あの日、最初に真木君から連絡を貰った時は、本当に寿命が縮みましたから 」
そう言った啓輔に、またそれを言うのか、と慎一は決まり悪そうな顔をする。
啓輔は、当然でしょ、とやや恨みがましさを含んだ視線を慎一に向けた。
「 真木君、気の毒なくらいに落ち込んでましたし 」
「 真木には、本当、悪い事したと思ってるよ。
けど、真木でなければ、あのくらいで済まなかったと今でも感謝している 」
あれから、真木の車の修理代に加え、礼にと新しいスタッドレスタイヤをカッコいいホイール付きで贈った慎一に、真木は一生付いて行きます、と頭を下げた。
「……勿論、お前にも感謝しているよ 」
言葉では言い尽くせない程に、と慎一は照れたように笑った。
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