春の雪

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もう待ちきれない、とばかりに、慎一の指先が誌乃の服を絡め取り、同時に素肌を滑っていく。 待って、と言う暇もなく…、カラダ中をうごめいて。 最初は優しく…、心地よく。 その合間に特別なキスを交わす。 互いにむさぼり合うような、濃厚で…、激しいキス。 そして、慎一の指先の動きが段々と早くなっていく。 危うく意識が飛びそうになる手前で、誌乃は慎一の指先を掴んで止めた。 「……誌乃…?」 どうした、と少し不安げな表情を浮かべた慎一の首に腕をまわし、誌乃は少し乱れた息づかいのまま耳元にそっと唇を寄せると、あのね…?と囁いた。
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