( 付録 ) 慎一の憂鬱

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「……もしかしたら、他にもどこかで会ってたかも知れないね 」 誌乃は、そう言って小さく笑った。 子供の頃、その公園では竜也や花也と良く遊んでいた。 陸とも何度も過ごした。 そんな中で…、すれ違ったりしていたのかも知れない。 こんな近くに居たのなら。 そうだな…、と昇悟は切なげに口の端を上げた。 3歳くらいの可愛い盛りの誌乃。 ランドセルを背負った、小学生の誌乃。 少しづつ少女から女性になっていく中学、高校の誌乃。 知らず知らずのうちに、目にしていたのかも知れないのに……。 気が付かなかった。
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