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「……ごめんな、誌乃 」
つい出てしまった言葉と共に、昇悟は結希を抱き締めた。
誌乃はグジ、と小さく鼻をすすりながら、謝らないで、と笑う。
「 これからは、結希の成長を見守ってくれるでしょ?ずっと、…傍で 」
もちろん、と少し震える声でそう言うと、昇悟は結希を愛しげに抱き締めた。
「 結希は可愛い俺の、……娘だ 」
“ 孫 ”が抜けてる、と誌乃は思ったけれど、口にするのは止めておいた。
昇悟にとって結希は孫娘だけれど、きっと…、傍で見られなかった誌乃の成長を、結希を通して見たいんだと思ったから。
そして誌乃自身も、そんな昇悟が見たいから。
しかしながら、慎一がそれを理解してくれるかどうかは…、微妙だ。
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