( 付録 ) 慎一の憂鬱

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そんな慎一を見て、昇悟は呆れたような溜め息をついた。 「 何だよ…、もう帰って来やがったのか…」 折角、まったりと父娘の時間を過ごしていたのに。 邪魔が入っちまったな、と結希に話しかければ、結希も、あぁ~、と返事をする。 そうか、そうか、などとデレデレしながら結希をあやす昇悟の方が、いかにも父親っぽくて…、 結希も何だかご機嫌で。 慎一の内側から、怒りが噴き出して来る。 しかも。 幼い誌乃を抱いたあの宝物のような想い出は、まさに今日、自分が誌乃に話すつもりだったのに。 そんな風に、結希を抱き締めながら。 相変わらず昇悟は自分のポジションを脅かす。 「……まさか、お前…、あの事誌乃に…」
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