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慎一の異様な気迫に、昇悟は一瞬だけ決まり悪そうな表情をしたものの、すぐにフン、と鼻を鳴らした。
「 てっきり、もう話したもんだと思ってたんだよ。お前、キャラに似合わずロマンチスト過ぎ 」
何か笑える、と、クスッとした笑いを浮かべた昇悟は、なぁ結希?と意味もなく結希に同意を求め、結希も、あ~、とご機嫌に返事する。
悔しさと嫉妬が混ざったような、言い様のない感情が、慎一の抱えていたテディベアをワナワナと奮わせた。
そんな中…、
「……え? じゃあ一緒に居たのって、やっぱり慎一さんなの?」
え―、ビックリだね~、と笑った誌乃のリアクションは、慎一の思い描いていたシチュエーションをガラガラと崩れさせ…、
テディベアが、ドサッと落ちた。
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