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え、あれ?と、虚しく転がったテディベアを、誌乃が慌てて抱き起こしている間に、慎一は昇悟の腕から結希を奪った。
何すんだよ、とムッとした昇悟を見下ろし、
「 父親は俺だ 」
などと、分かりきった事を言う。
「……何だ、またヤキモチか 」
しょうもねぇな、と呆れたように笑う昇悟を、やかましい、とあしらい、結希の顔を覗き込んだ。
すると…、
「……ふぇ…」
嫌な予感がした。
「 ふぇ―ん…」
泣き出した。
「……結希…?」
慎一が泣きたいくらいだった。
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