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ま、そう落ち込むな、と慎一の肩をポンポン、と叩いた後、昇悟も部屋を出て行った。
落ち込むな、だと?
落ち込ませたのはお前だろ!
心の中で怒鳴り散らす。
誌乃だけでもムカついたのに、結希までもが、昇悟の腕の中であんなご機嫌な顔をして。
家が隣なのをいい事に、
慎一が昼間居ないのをいい事に、
しょっ中やって来ては、結希を手懐ける昇悟が本当、鬱陶しい。
やっぱりこんな家、買わなきゃ良かった。
つい、そんな事を思いながら…、床に置かれたテディベアを拾い上げ、慎一は物憂げに溜め息をついた。
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