( 付録 ) 慎一の憂鬱

16/31

10065人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「……ね、まだ怒ってる…?」 昇悟が帰った後。 リビングに戻った誌乃は、ソファに座らせたテディベアを枕にふて寝していた慎一に、恐る恐るそう聞いた。 「……俺が、そんな事でいちいち怒る小さい男だとでも…?」 そうは言うものの、目を閉じたままの慎一のその表情は、明らかに不機嫌で。 「 あ、いや、だから…、そんな事は思ってないけど…」 小さいとは思ってないけど、絶対に怒ってる。 その理由も、大体分かってる。 「 お父さんは、赤ちゃんを抱っこするのに慣れてるし…、さっきだって、たまたまで、別に慎一さんを嫌がってる訳じゃ…」 そう言うと、誌乃は寝そべる慎一の側にペタリと座り込んだ。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10065人が本棚に入れています
本棚に追加