( 付録 ) 慎一の憂鬱

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慎一がうっすらと目を開けると、誌乃が不安げな顔して覗き込んでいて。 思わずうなじを掴んで引き寄せると、誌乃はビックリしたように目を丸くした。 「……分かってるよ…」 そう言った慎一の唇は、触れるか触れないかの距離まで迫り、誌乃が目を閉じたと同時にその唇は熱くなる。 うなじを掴んでいた慎一の指先がようやく緩み、誌乃がゆっくりとカラダを起こして目を開けると、テディベアと目が合った。 ラブラブだね~、とでも言いたげに笑っているように見えて。 誌乃はちょっと照れ臭くなってしまった。 「……この子、可愛いね。結希もきっと喜ぶよ?」 起きたら見せてあげよう?と笑う誌乃の背中に腕を回して抱き寄せながら、そうだな、と慎一も小さく笑った。
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