( 付録 ) 慎一の憂鬱

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慎一の鼓動が心地よく耳に響く。 こんなにも、…安心する。 「……私、今はお父さんの腕より、貴方の腕の方が好きだよ…? たくさん抱き締めてくれたから。 だから結希もきっと…、貴方を大好きになる。 だって、私と結希はソックリだもん 」 でしょ?と笑う誌乃を、ぎゅ、と強く抱き締めて。 ニヤニヤした顔を見られないようにする。 結希をたくさん抱き締めよう。 こんな風に、もっと、もっと。 そしていつか…、結希に言われたい。 パパ、大好き。 大きくなったら、パパのお嫁さんになる。 そしたら誌乃がまた、妬きモチを焼いて。 ……ああ…、その日が待ち遠しい。
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