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「……私、運命、って本当に信じてる 」
寝そべる慎一に寄り添い、その胸の上でスヤスヤ眠る結希を眺めながら、誌乃はそう呟いた。
「 だって…、小さな私をお父さんだけじゃなく、慎一さんまで抱いてくれてたなんて。
そしてまた、私を見付けてくれて、いっぱい愛してくれて、今こんなに幸せで…、運命以外にないよね 」
片手で結希の背中を、片手で誌乃の髪を撫でながら、そうだな、と慎一は小さく呟いた。
全ては偶然なんかじゃなく、決められた運命。
傷付いた事すらも、ふたりの絆を強くする為に必要だった試練。
そんな風に思えるのは…、
今が最高に幸せだから。
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