10065人が本棚に入れています
本棚に追加
/714ページ
「……お、お帰りなさい。直接お店に行くんだとばかり…」
結希の17歳の誕生日。
家族で祝おうとフレンチの店を予約し、自分は会社から直接向かうつもりでいたのだが…、
会議が早く終わった為、どうせなら、と一度帰って来た俺を、誌乃が少し慌てたように出迎える。
ふと目線を下に落とすと、結希のローファーの隣に並んだ、見慣れないデカいスニーカー。
俺の眉間には、瞬く間にシワが寄った。
「……誰だ 」
スニーカーを指差しながらそう聞くと、誌乃は、え、と…、と一瞬口ごもった。
「 結希の、……お友達?」
友達、…だと?
「……ふたりはどこに居る 」
そう聞いておきながら、誌乃の返事を待つ事なく、俺は結希の部屋へと向かう。
最初のコメントを投稿しよう!