( 付録 ) 慎一の憂鬱

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ガチャ!とドアが開き、同時にゴン!という音と共に、額に痛みを感じた。 「……え、パパ !? 」 誌乃と都を足して2で割ったような、可愛い娘に成長した結希が、驚いたような顔を覗かせる。 俺は痛む額を指で押さえながら、少し決まり悪そうな表情を誤魔化した。 「 だ、大丈夫?」 慌てて駆け寄って来た誌乃に、大丈夫だ、と小さく手を上げていると、結希の後ろからヒョッコリと男が出てきた。 「……あ、どうも…」 そう軽く挨拶した若造を、軽く睨む俺。 「……結希とは、どんな付き合いを…?」 いきなりそんな質問をすると、結希が慌てふためいた。 「 や、やだ、パパ!」 すると、若造はムカつくくらいに冷静な態度で、真っ直ぐ俺に視線を向けた。
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