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「……酷い…。パパなんて大ッ嫌いッ!!」
最悪な捨て台詞を吐き、パタパタと駆け出して行った結希に茫然としている俺に、あーあ、という憐れむような視線を投げ掛けた若造は…、
誌乃にだけ、すみません、失礼します、と礼儀正しく一礼し、結希の後を追って行く。
俺は、ガックリと項垂れた。
パパなんて大嫌い。
一番聞きたくなかった言葉に、もはや全てが崩れさっていく。
救いを求めるように後ろを振り返れば、誌乃もムッとしたような顔をして。
「……慎一さんの、…バカ 」
もう知らないから、とプイッと去っていく誌乃の無情な後ろ姿に、俺は…、
痛む額に指をあて、悲しみにうちひしがれた。
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