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「……さん、…慎一さん 」
誌乃の声に、慎一はハッとして目を開けた。
「……頭痛いの? 大丈夫?」
額に指をあて、眉間にシワを寄せていた慎一を見て、誌乃が心配そうな顔を覗かせていた。
胸の上では、結希がまだスヤスヤと眠っていて…、慎一は安堵の溜め息をつく。
ああ…、妄想で良かった…。
やけにリアルな妄想に、心底そう思う。
パパなんて大嫌い。
思い出しただけで身震いがする。
「……いや、ちょっと結希の将来が心配になってな…」
娘を持つ父親というのは、心配事が絶えないのだと改めて思い知る。
昇悟の気持ちが…、分かったような気がした。
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