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「…………が……だ。」
「……な………そ…。」
屋根からでは、話し声は聞き取れても会話の内容までは解らない。相当声を抑えて会話をしているようだ。
人数は…おそらく二人。話し方から、長人であるのは間違いない。
長人が多く泊まると聞いたこの宿。何らかの動きがあるのを期待してきてみたのだが、会話の雰囲気から何もなさそうだ。
だが、会話の内容が気になる。もし、何らかの動きをみせる内容であり、行動を起こしたら尾行するつもりなのだ。
そのためには…もっと近づく必要がある。そう思って、腰を上げようとした時
「たいした話はしていませんよ。」
「─────ッ!?」
背後からかけられたその声に驚き、反射的に前方の屋根に跳び移る。
先ほどまで乗っていた屋根を挟む形で、向こう側に人がいた。
闇よりも黒い漆黒の髪の毛と、月明かりに反射して不気味に浮かび上がる金色の目。
片目を仮面で隠し、半分しか表情は見えない。
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