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沖田は、今まで少女に腕を引っ張られていた青年の顔をを見て目を丸くする。
遠くからではわからなかったが、青年の顔には包帯が巻いてあるのだ。
丁度、目を隠すように巻かれており、おそらく、青年は目が見えないのだろう。
凛も驚いたが、すぐに笑顔をつくる。
そんな二人に気にした様子もなく、千と呼ばれた少女のが、店の中を覗いて目を輝かせている。
其の様子を凛は申し訳なさそうにして、
「すみません…。中はもう一杯なのです…ここの長椅子の相席でも、よろしいでしょうか?あの…沖田さんもよろしいですか?」
眉を八の字にして言った。
「あっ…。私は構いませんよ!」
ニコリと凛に笑い、すぐさま横にあったお皿とお茶を、自分の方に寄せる。
「ありがとうございます。では、失礼させていただきます。」
ペコリと頭を下げ、沖田の隣に腰掛ける。
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