駄犬日記その1

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犬「やっぱり…」 着信履歴の文字の下に表示されたのは見慣れた名前。 かけ直したいと感じる忠誠心と眠い、だるい、無視しようという自制心が激しく戦っている。 …はい。忠誠心の勝利。 まだイマイチ冴えない体を持ち上げて寝癖で某漫画の主人公、スーパーサイヤ人バージョンみたいな頭をかきむしりながらそっとリダイアルのボタンを押した。 prrrr…1コール prrrr…2コール prrrr…3コ… 『遅い。』 明らかに不機嫌なこの声の持ち主は一人しかいない。 見慣れた名前。そう、主だ 犬「わりぃ、寝てた」 主『寝てた?この時間に?バカなの?』 今は午前2時過ぎ、夏休みとはいえ普通の中学生なら寝てるだろう。 犬「すいませんした」 主『はぁ…とにかくうちきて。あと3分以内。じゃあね。』 ブツッ ツーツー… なんて無茶な主なんだろうか…
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