真実

3/4
前へ
/8ページ
次へ
「!?!??」 声にならない叫びをあげた。 隣にスゥスゥ東谷篤が寝ているのだ。状況が理解出来ない。 確か昨日合コンに行って・・・。 「あ、おはようごさいます。」 状況確認中に東谷篤が目を覚ました。目をこすり、眼鏡を探しながら俺に挨拶した。 「あの、その。」 「昨日、痛かったですよ。酔った勢いとはいえど男にされたのは初めてだったし。」 「!?!!?」 「その、そういう時の月島くんも可愛かったですよ。」 顔を赤らめて東谷篤が言う。 ああ、俺こいつと。 「ごめんな。酔った勢いとはいえごめん。男同士なのに・・・。」 そう謝ったら、東谷篤が大声で笑った。 「馬鹿じゃん、ヤるわけないし。アハハ(笑)」 ムカついた。ムカついたから押し倒して眼鏡を取り上げた。こいつ、やっぱり陵に似ている。 「陵。」 「兄さんの名前を軽々しく言うな。」 「兄さん!?」 「兄さんは、お前と蒼い空が好きだった。あの日も・・・。」 あの日、あの日を今まで胸にしまっていた。陵がこの世から、いなくなったあの日。 「陵とお前は兄弟なのか?」 「生き別れの双子だ。」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加