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「!?!??」
声にならない叫びをあげた。
隣にスゥスゥ東谷篤が寝ているのだ。状況が理解出来ない。
確か昨日合コンに行って・・・。
「あ、おはようごさいます。」
状況確認中に東谷篤が目を覚ました。目をこすり、眼鏡を探しながら俺に挨拶した。
「あの、その。」
「昨日、痛かったですよ。酔った勢いとはいえど男にされたのは初めてだったし。」
「!?!!?」
「その、そういう時の月島くんも可愛かったですよ。」
顔を赤らめて東谷篤が言う。
ああ、俺こいつと。
「ごめんな。酔った勢いとはいえごめん。男同士なのに・・・。」
そう謝ったら、東谷篤が大声で笑った。
「馬鹿じゃん、ヤるわけないし。アハハ(笑)」
ムカついた。ムカついたから押し倒して眼鏡を取り上げた。こいつ、やっぱり陵に似ている。
「陵。」
「兄さんの名前を軽々しく言うな。」
「兄さん!?」
「兄さんは、お前と蒼い空が好きだった。あの日も・・・。」
あの日、あの日を今まで胸にしまっていた。陵がこの世から、いなくなったあの日。
「陵とお前は兄弟なのか?」
「生き別れの双子だ。」
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