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二人は自分の小指を立てて僕に向けた。
「章ちゃん!約束するよ!
ボク!頑張って強くなって、今度は章ちゃんを守ってみせるよ!!」
「私も……、私も約束!強くなって章吾ちゃんを守る!だから……あの……」
――灯ちゃん、舞ちゃん、守る……って、それじゃあ逆になっちゃう。
普通は男の子が女の子を守らないと、でも、ありがとう……凄い嬉しいよ。
お別れになるのは寂しいけど、僕も頑張るよ。
僕は痛みを我慢して小指を二人に向けて出す。
「灯ちゃん舞ちゃんありがとう。
うん!それじゃあ約束だね?」
「「うん!!」」
僕達は笑顔で指切りをする。
やっぱり二人共、笑ってる顔が良いね。
「灯ちゃん、舞ちゃん」
――僕も約束するよ。
「僕が――」
その時、ヘリコプターのエンジン音が僕の声をかき消していく。
大丈夫かな?
ちゃんと二人に聞こえたのかな?
うん、頷いてる所を見ると聞こえたみたい……だね。
ヘリコプターから二人は降りると勢いよく手を左右に振っている。
灯ちゃん舞ちゃん、頑張って早く治して帰って来るから。
――だから、またね……。
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