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「ここは……どこだろう?……真っ暗で何も見えないや……」
僕の目の前には全てを包み込む様に暗闇が広がっていた。
それに、自分の体が宙に浮いているような感覚に違和感を感じる。
辺りを探ろうにも体は何故か動かない。
――どうして僕はこんな所にいるんだろう?
そう思った時だった。
「――ちゃ……ん」
ふと声が聞こえた。
「――ちゃん」
「章吾……ちゃ……ん」
さっきよりも、はっきりと声が聞こえてくる。
「僕を呼んでるのは誰?誰かいるの?」
僕は声が聞こえる方に視線を送る。
でも、そこには誰もいない。
その代わりに丸い玉みたいな物が光って見えたのが解った。
「……あれは?太陽?」
太陽にも見える、その光の玉は次第に大きくなっていき僕の体を包んでいく。
そして、暗闇だった風景が徐々に明るくなっていった。
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