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最初に僕の目に入ってきた風景は、丸い電球がついたスタンド、その先は少し黒いシミがついた天井。
あと、僕はベッドで寝ているのに気がついた。
薬のような匂いが鼻につき、視線を落とすと体に見慣れない白いシーツが掛けてあり、ベッドとシーツの隙間から細い管のような物が出ている。
――ここは、もしかして病院なの?
「ひっく……章ちゃん、章ちゃーん……ひぐ……」
「章吾ちゃ……グス……」
あ、この声は……さっき僕を呼んでた声。
今なら良く解るよ。大好きな幼なじみの声だ。
その方を見ると、目を腫らして泣いている二人の女の子がいた。
一人は肩位の長さの赤色の髪で、体は小さくお人形のような子、自分の事をボクって言ってる『灯ちゃん』
、もう一人は灯ちゃんよりも背が高くて、薄く青がかった黒髪、膝位まで長くて両側で三つ編みをして、大きいメガネをしてる『舞ちゃん』だ。
でも、何で泣いているの?
そうか、いつも二人をいじめてる3人の男の子のせいだな。
僕は起き上がろうと体に力を入れる。
――が。
凄まじい激痛が体中に走った。
「あ゛……う゛……」
その痛みから出た声は言葉にならなかった。
――どうして?どうして、こんなに体中が痛いの?
「ヒック……っ!?
章ちゃん!気がついたぁ!!」
「じょう゛ごちゃん!章吾ちゃん!!」
僕の声に気づいたのか二人は顔の近くまで寄って来る。
一体、僕に何があったの?
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