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「ん……、良く言ったな章吾、大変だけど頑張ろうな?」
いつもの穏やかな顔に戻ったお父さん。
今度は少し荒く頭を撫でてきた。
会話を聞いていた、おじさんとおばさんがベッドに近寄って僕に笑顔を見せる。
「章君、君は親友の息子だが、儂も自分の息子のように思っている。
良くなったら、いつでも家に来るといい」
「そうよ~、遠慮しないで帰って来てね~♪」
へへ、嬉しいな、僕にはお父さんとお母さんが二人もいる。
あれ?何でだろ……痛くないのに……悲しくないのに涙が出てくるよ。
「お母さんが今日本に向かって帰って来ているから、明日一緒に出発しよう。
手続きがあるから、お父さんは行くけど何かあったら看護婦さんを呼ぶんだよ?」
そう言って立ち上げると、おじさん達と一緒に病室を出て行く。
灯ちゃんと舞ちゃんは、泣き疲れて寝てしまっていたのかな、二人におんぶされてた。
一人になった僕も疲れたのか、眠気を我慢出来ずに目を閉じた。
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