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殺生丸は私かりんにしか分からないであろうというほど微かに笑って私の頭に頭を乗せた
「蛍って、すぐに死んじゃうの…綺麗だけど、すぐに終わっちゃう…なんか、寂しいよね」
「そうか…だが、私たちはまだ終わりはしない…」
「うん、寂しくないよね…」
互いの手をきゅっと握って寄り添っているだけで、そこがとても居心地のいい場所だった
「これからも、私のそばだけで、光ってて」
そっとつぶやくと殺生丸がふっと笑った
「私は蛍ではないが…そうだな、ならば、お前も光っていろ、この、殺生丸の隣で」
「…うん、でも、蛍って…雄しか光らないの」
つい、笑う
「ならば雌は何をする」
「雄の光に寄っていくの、繁殖相手を見つけて、子供を産んで、死んじゃうの」
「…良いものではないな…帰るぞ」
いつもの調子に戻ってしまい私の手を引いて立たせた
「もう?」
「私たちは蛍ではないが…死ぬのは許さん」
しっかりと握った手を引いて家の方に歩きだしその背中を追った
その日はずっと手を離さなかった
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