DiamondDust Rebellion

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 かすがは檜佐木たちに自分がどういう行動を取るかぐらい、自分の隊士たちはもう解っている。 解った上で動いているのだと。 そう微笑みながら告げつかすがからは冷たく感じた。 「本当は使いたくなかったけど……早咲け、黒梅」 かすがの持っていた斬魄刀に変わりはないが、廻りに舞って居たのが黒い桜の花弁から黒い梅の葉に変わった。 こればかりは冬獅郎も始めてみた。 死神一人一本の斬魄刀を持つ。 他のものの斬魄刀を使う事は出来ない。 だが、目の前のかすがは二本目の斬魄刀・黒梅を使っている。 「使えるけど、制御できないのが難点なのよね……だから、身を守りなさいよ?」 そう言って黒梅を地面に突き刺した。 刺したと同時に爆発的な霊圧上昇による強風がかすがを中心に発生する。 「散り始め、雪梅(ユキノウメ)」 梅の葉が雪の様に白く変わり地面へと振り始める。 梅の葉が触れた場所から雪が凍りへと変わり、辺り一面を氷の世界へと変える。 「枯葉・梅吹雪」 雪のように降っていた梅の葉は吹雪を起こし、視界を奪った。 冬獅郎はただただ唖然としていた。 かすがは冬獅郎の腕を掴み、白伏を叩き込んだ。 混濁して行く意識の中、かすがが泣いている気がした。 そのまま瞳を閉じ、眠った。  瀞霊廷の零番隊執務室では、夜狐と火狐が隊を纏めて居た。 かすがの離反の報告を受けた時も、動揺することなく指示を出していた。 隊長の離反に動揺する隊士たちをなだめるのは火狐がして、陣頭指揮を執るのが夜狐だった。 「静三席は…?」 「伊勢副隊長と共に居ます。琉焔七席は現世より戻ったところです」 「琉焔七席に至急、六番隊と協力し、現場検証に立ち会えと伝えよ」 「御意」 「火狐、何か感じる?」 「ううん、ぜんぜん。ただ、氷雪系が動いたのは解った。けれど、何処か違う」 「そう。堕墜副隊長に誰か伝えれくれればいいんだけど……」 そうぼやいた傍から、懐かしい霊圧を感じ双子の顔は輝いた。 双子が振り返った先に居た死神の廻りを、キャーキャーと飛びまわった。 「こらこら。副隊長代理がそんな行動するんじゃないよ、夜孤火狐」 「「だって、久しぶりなんだもん」」 二人が声をそろえた。 それには苦笑するしかなかった。
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