DiamondDust Rebellion

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 部屋の外で待っていた夜行に堕墜への伝言を頼んだ。 そのまま隊舎へと戻る。 戻れば情報を集めて居てくれたのだろう、大量の資料が机の上に上がっていた。 隊長の判が必要な書類は判とともに静の机の上にあった。 「良く解ったわね、静」 「私が言ったのではありませんよ、隊長」 「じゃあ、誰?」 「双子が自主的に開始いたしました。私は報告書を作るのと、判を捺すので手が回りませんから」 成る程、と小さく息を吐きだす。 置かれた資料を見つめ、すべて隣の小さな机へと投げ置く。 床に散らばろうがお構いなし。 一番下の引出しに手を触れる。 他の人が開けないように封じている。 キィン…と乾いた音が鳴り、外れた。 中にあった髪飾りを手に取る。 今回の虚退治で無くしたくない、と思っておいて来たものだ。 それを見て小さく笑う。 「やはり隊長にはその髪飾りがないとしっくりきませんね」 「静。それ、どういう意味ですか?」 「そのままの意味ですよ。隊長、今年の有給使いますか?」 「………出来れば、2,3日欲しいわね」 「了解しました。私、有給いらないので、それを使ってください」 サラっと言い切った静の顔を見る。 かすがは小さく声を上げ笑った。 それが気に入らなかったのか、静がかすがを睨む。 「安心して。私はそういうことしないから」 「ではなんだと言うのです?」 「2,3日と言ったけれど、もう現世に行くわ。現世の捜索の権限は私にあるの」 「…………別に捜索隊が編成されるかと思いますが」 「そこは抜かりないわ。堕墜に連絡を入れた。彼なら、彼らをあしらうのはお手の物よ」 「副隊長が……さすが行動派の隊長ですね」 隊首室へと向かえば、それ以上静は何も言わずに書類を捌く。 戸の開いた奥からかすがが散らかした書類を燃やすよう言ったのは、それから少し経ってから。  伝言を受けた堕墜は夜行と共に、黒崎一護の元へと駆けた。 義骸に入り大通りを抜ければ、そこにひっそりと佇む『クロサキ病院』を見つけた。 「黒崎さぁんっ!!」 夜行が叫べば、玄関から一護が驚いた顔をしながら表れた。 手には財布を持っていたため、どこかへ出かけるつもりだったのだろう。 「夜行さんに、堕墜さん?」 「かすがたいちょーの伝言、伝えに来ました」 その一言で、一護は解った顔をした。
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